■古河の旗竿住居 1999.06

計画地 :茨城県古河市 坪40万円台を目指して計画されたローコスト住宅である。日当たりを確保するため、敷地の南東部分を空地としてL型PLANの総2階建てで計画された。1階に居間・食堂、水廻り、2階に寝室を配置した一般的な構成である。日当たりと布団の干しやすさを重視する施主の意向に従い、寝室にはバルコニーを設置している。特に子供部屋に設けられたバルコニーは、両面が開放され、通風にすぐれるとともに街並みに対して物見台のように投げ出され、街と住居を結びつける接点としての役割が与えられた。平面形と同じく、道路に面する立面もL型として認識されるように立体が組み合わせられ、単純さのなかに複雑性をはらむことが意図されている。コストをおさえるため内部は、閉鎖性を要する書斎・オーディオルーム、主寝室を除いて全てオープンな間取りとし、必要に応じて、また将来工事によって建具やカーテンなどで仕切れるよう設定してある。オープンな間取りとしたため、住人のライフステージの変化に伴いどのようにも住みこなすことのできるフレキシビリティが備えられている。同様にコストをおさえるため水廻りは1階の北側にコンパクトにまとめられ、将来2世帯住宅として使われる場合などにおいては2階部分にも水廻りを簡単に増設出来るよう想定している。内外装は構造用合板などを表しで用いることでコスト低減を図りながら、木の温もりの感じられる住まいとなるよう想定された。敷地の南東部分に確保された空地のうち道路側の半分は、2台分のカーポートとして鉄骨+折板屋根で簡単に屋根がかけられるが、残された半分のテラスとはあくまで一体的な中庭として扱われる。将来通行量が増えるであろう前面道路(自転車道有り)から中庭及び中庭に全面開放された居間・食堂で過ごす住人のプライバシーを確保するため、カーポートの道路面には縦格子の建具がはめられ、ゆるやかに外と中を隔てている。
用 途 :住宅
主要構造:木造在来工法、一部鉄骨造
敷地面積:
延べ面積:

1FPLAN

2FPLAN

PERSPECTIVE